東京高等裁判所 昭和33年(ネ)1007号 判決
控訴人と被控訴人間の前記二十万円の消費貸借契約及び本件不動産に対する抵当権設定契約はいずれも当事者双方が相通じてなした虚偽の意思表示に基くものであつて法律上無効のものというべきである。しかるに、控訴人が右各契約を有効としこの契約に基ずき被控訴人に対し金二十万円の貸金債権を有すると主張していることは本件弁論の全趣旨に徴し明らかであるから、被控訴人は本訴において右貸金債権の不存在確認を求めうべき法律上の利益を有することはいうまでなもい。よつて、控訴人に対し右貸金債権の不存在を確認し、且本件不動産につきなされた前記抵当権設定登記の抹消登記手続を求める被控訴人の本訴請求は理由ありとして認容すべきである。この場合民法第七百八条の規定の適用がないことは、右抵当権が当然無効である所からその設定登記自体は所謂給付に該当しないことから、洵に明白である
(奥田 岸上 下関)